2014 年 53 巻 5 号 p. 410-421
シリアル方式インクジェットプリンタは,広幅化が容易であることからワイドフォーマットを必要とするサイネージプリンタに適している.
サイネージプリンタに使用されている屋外耐候性や使用するメディアの多様化に応えるために,使用するインクはここ10年余の間に大きく進歩した.サイネージプリンタから始まったインクの進歩と非接触でプリント出来るインクジェット技術の特長を活かして,新しい産業用途への応用が広がりつつある.
本稿では,水性インクから始まり,ソルベントからラテックスインクそしてUV硬化インクに至る進歩の道程について説明する.加えて,最近のサイネージプリンタ要求と産業用等への拡がりつつあるインクジェットプリンタの応用動向について説明する.そして最後に,サイネージプリンタと周辺技術の今後の開発課題について考える.