日本画像学会誌
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動的共有結合化学に基づく高分子の自己修復
今任 景一大塚 英幸
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2015 年 54 巻 3 号 p. 221-228

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抄録
高分子材料の自己修復性は廃棄物の削減のみならず,人の手による修復が困難な用途への応用も期待できる.この修復へのアプローチの一つに,特定の環境下で解離·結合の平衡状態となる動的な共有結合の反応,動的共有結合化学を利用する手法がある.このシステムでは,動的共有結合を高分子材料中に組み込み,この結合の組み換え反応とそれに伴う高分子ネットワークの構造再編成により修復が進行するため,理論上は分子レベルでの修復が可能となり,修復回数に制限がないという利点を有する.熱や光,触媒といったさまざまな外部刺激で平衡状態に到達する反応系,あるいは外部刺激なしに,室温·空気中で平衡状態にある反応系を利用することで,高分子材料の自己修復が可能となることがこれまで報告されている.本稿では,このような動的共有結合化学に基づく高分子材料の自己修復に関して解説する.
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© 2015 一般社団法人 日本画像学会
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