抄録
トナーは,主成分であるバインダー樹脂,顔料,帯電制御材,外添材,ワックス等多くの材料で構成されている.近年の環境意識の高まりから,電子写真分野においても,省エネルギー化が要望されており,省エネルギー製品に対する認証システムである国際エネルギースタープログラムへの製品登録などが積極的に行われている.電子写真技術の省エネルギー化については,消費電力の70%以上を消費1)する定着器の省エネルギー化が重要である.ワックスはこの定着工程で重要な役割を果たす.定着器の省エネルギー化では定着器の温度を抑えることが有効であり,ワックスについては低温で機能を発現して,ポリマー材料であるバインダー樹脂の軟化を促進する低融点ワックスが有望である.一方でトナーは保管時に50度程度の温度に晒される場合があり,これらの温度領域でワックスの一部が融解するとトナーのブロッキング等のトラブルの原因となる.ここでは低融点かつシャープな融解挙動を示す高純度エステルワックスについて紹介する.