日本画像学会誌
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Imaging Today
質感の計測と制御
岡嶋 克典堀内 隆彦富永 昌治
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2018 年 57 巻 2 号 p. 207-213

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抄録

視覚的な質感には様々な種類があるが,比較的高次の質感認知 (例えば鮮度や古さ感等) に関する定量的な研究はあまり行われていない.食品分野では生鮮食品の鮮度測定法が,化粧品業界では人の肌年齢の決定要因の同定などが大きな課題になっており,視覚情報から物体の状態変化を推定するメカニズムの解明は産業的にも学際的にも重要な課題である.本稿では,野菜の鮮度認知,肌年齢の認知,人工物の古さ感に関する研究事例を紹介し,視覚情報から物体の経時変化を推定する高次質感認知特性とそのメカニズムについて言及する.また,蛍光を含む物体の利用は日常生活で増大しつつあるので,蛍光物体の光学的質感を分析した後に,蛍光感の画像再現方法を紹介する.

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© 2018 一般社団法人 日本画像学会
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