2019 年 58 巻 4 号 p. 397-405
Additive Manufacturing (AM) を使ったいろいろな3D空間における物理量の表現と,次世代の3Dファイル形式として注目されているボクセルファイル形式FAVの物質科学への利用方法等について報告する.最初に,初期のAMについて話をした後,現在,世界標準として使われているSTLファイル形式 (Standard Triangulated Language) の簡単な説明を行う.次にAMを使った空間への物理量の表現方法に関し,分子·結晶構造と電子雲の3D造形について紹介する.また,応用例として富士山上空の気流についても3D造形が可能なことを示す.さらに,STLファイル形式の欠点を補うべく,最近になって開発·規格化がすすめられているボクセルファイル形式FAVについて将来的な利活用案を提案する.