2019 年 58 巻 4 号 p. 406-414
井桁構造体は,サブトラクティブ工法では作れないため,構造体として十分な評価がされてこなかった.しかし,付加造形 (AM) 技術を使うと井桁構造は自在に構成することができ,バルクでは考えられない特性を示すことが判った.又,Bi-Matrix複合と命名した新しい井桁構造を応用した材料複合化技術は,機械的な嵌め合いによって複合しているため,熱溶融積層型の3Dプリンタを使って相溶性の無い材料同士でも複合化できることを見出し,材料を濃度傾斜させる複合化も実現した.更にこの概念を拡張して,熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の複合化や3次元細胞培養に応用できるゲル体の井桁構造体,高温ガスのフィルタに使用できるセラミックスの井桁構造体についても解説した.