日本画像学会誌
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論文
電極表面修飾不要なp型半導体を用いた印刷型相補型集積回路
竹田 泰典時任 静士
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2020 年 59 巻 1 号 p. 118-125

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抄録

有機薄膜トランジスタ (OTFT) を集積した有機集積回路は,薄く,柔軟性があり,軽量であるといった,シリコン (Si) ベースの薄膜トランジスタ (TFT) では実現困難な特徴をもつ.また,有機集積回路は,銀ナノ粒子インクや有機半導体インク,絶縁体材料インクを用いた印刷法により作製が可能であり,その特性はマスク蒸着やフォトリソグラフィといった従来の作製プロセスを用いて作製された回路の性能に到達しようとしている.一般的にp型半導体の方がn型半導体に比べて移動度や大気安定性などの性能が高いので,p型半導体のみを用いた集積回路が良く研究されてきた.しかし,最近ではn型半導体の性能も向上しているため,高い性能が得やすいp型,n型半導体の両方を用いた相補型と呼ばれる集積回路の研究報告に注目が集まっている.そこで本研究では,電極形成や半導体形成プロセスに印刷法を用いた相補型集積回路の作製プロセスの開発を行った.この時,電極表面修飾不要なp型半導体を用いることで同一基板上にp型とn型OTFTの作製を実現した.

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© 2020 一般社団法人 日本画像学会
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