日本画像学会誌
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論文
親撥パターニング法を用いた微細配線形成と有機TFT応用
吉田 将太松浦 陽塩飽 黎竹田 泰典関根 智仁浜口 仁熊木 大介時任 静士
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2020 年 59 巻 1 号 p. 111-117

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抄録

近年,印刷プロセスを用いた電子デバイスの開発が非常に注目を集めている.中でもインクジェット印刷は,デジタルオンデマンド印刷,高い材料の使用効率,スケーラブルな作製法,非接触印刷という特徴を有しており,デバイス作製を行う上で最も有用な方法の1つである.一方で,インクジェット印刷では,着弾液滴の濡れ広がりの問題から10μm以下の微細パターンを形成することが難しいという課題がある.本報告では,この課題を解決するため,基板表面の濡れ性を制御する親撥パターニング法とインクジェット印刷を組み合わせた微細配線形について報告する.この手法を用いることで,10μm以下の微細配線形成とばらつき低減を実現した.この手法を用いて作製した短チャネル有機薄膜トランジスタ (Thin Film Transistor, TFT) において,電界効果移動度0.23cm2/Vsの良好な特性が得られた.

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© 2020 一般社団法人 日本画像学会
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