新しい物質群ソフトクリスタルの概念が提案される.ソフトクリスタルは,構造秩序を保ったまま触れる,擦る,蒸気に曝すなどの極めて弱い刺激により,構造秩序を保持したまま色や発光,形状変化などの目に見える変化が可逆的に起こる物質群と定義される.ソフトクリスタルは,有機結晶,無機結晶,有機―無機複合結晶 (金属錯体) などを包含する.本稿ではソフトクリスタルを提唱するきっかけとなった興味深い例として,ベイポクロミック結晶,メカノクロミック結晶,超弾性を示す有機結晶を紹介する.これらの現象は科学的な観点から非常に興味深く,様々な系に発展するとともに,物性,理論研究に基づき深化している.また,視覚的なセンシングや高精度に進化した電子デバイスへの応用も期待される.最新のトピックは本特集の記事を参照されたい.