日本画像学会誌
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有機超弾性を礎とする結晶変形性の研究
髙見澤 聡高崎 祐一佐々木 俊之
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2020 年 59 巻 3 号 p. 292-300

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抄録

超弾性とは,応力負荷により塑性変形した固体が除荷とともに自発的に形状回復する特性である.その特異な機械特性を利用して,いわゆる形状記憶合金は幅広い分野で実用化されてきた.一方で,超弾性は1932年のAu-Cd合金における発見以降,一部の合金のみにみられる特殊な性質と考えられており,機能開拓という点で課題があった.髙見澤研究室ではこの長年の常識を覆し,有機結晶における超弾性,「有機超弾性」を発見した.その後の研究により,有機結晶における超弾性や強弾性 (自発的な形状回復を示さない可逆的塑性変形性) が,従来の考えよりも一般的な現象であることを見出してきた.本稿では,有機超弾性および形状記憶効果の発見,金属錯体を含めた多様な分子性化合物結晶の超弾性·強弾性の紹介とその特徴を説明する.最後に,超弾性や強弾性と異なり可逆性を持たない塑性変形でありながら,結晶性を維持したまま数百%以上の大変形を可能とする 「有機超塑性」の発見について述べる.

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© 2020 一般社団法人 日本画像学会
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