日本画像学会誌
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Imaging Today
感光体駆動ユニットの新規開発における体系的MBDアプローチ
松田 裕道
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2021 年 60 巻 2 号 p. 169-177

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抄録

感光体ドラム駆動ユニットの新規開発で実践した体系的なモデルベース開発 (model based development, MBD) アプローチについて報告する.業界では初となる遊星歯車機構を採用した駆動システムの開発において,ロバスト性と耐久性を効果的に確保することを目的に,設計上流の開発プロセスにMBDと品質工学を活用した.機構設計では,樹脂部品の成形誤差や組立て誤差の影響を把握し,ロバストな設計指針を基に回転変動を抑えた遊星歯車機構を設計した.耐久評価では,予め寿命が既知の駆動ユニットをベンチマークとして,市場を想定した温湿度環境,動作モードで劣化テストを行い,立ち上がり時のモータ消費電流波形からSN比 (signal-noise ratio) を求め,ベンチマークと遊星歯車機構のSN比の差から寿命を短期間で予測した.更に,稼動時の負荷変動や歯車回転周期変動による速度変動を低減することを目的にフィードバックとフィードフォワード制御を組合せた制御系設計を行い高回転精度を達成した事例を紹介する.

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© 2021 一般社団法人 日本画像学会
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