日本画像学会誌
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Imaging Today
COVID-19が迫る業界変容とDigital Transformationへの旅
平倉 浩治
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2021 年 60 巻 3 号 p. 238-246

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抄録

近年の各種業務プロセスのデジタル化に伴って,紙プリント需要が減少傾向で推移しているのは本会員周知のとおりであり,COVID-19パンデミックによりこの傾向が加速しているように見える.先進モバイル·デバイスに用いられるFPD (flat panel display) は,色域は十分で解像度も紙プリントと比較できるレベルであり,CPU (central processing unit) /GPU (graphics processing unit) の処理速度とあいまって画面サイズと質量の関係をある程度制限すれば,紙の代わりとして十分使える魅力的なモノになった.

需要が減少傾向にある中で複写機·プリンター業界は,どのような基本姿勢でDX (digital transformation) に取り組んでいけば良い成果が得られるのだろうか.全体主義を志向し全てをのみ込む勢いのデジタルプラットフォーマー達を適正に評価して戦略上の脅威と意識する必要がある.長年良い関係を築いてきた顧客と新たなビジネスモデルを共に創り,パートナーとしての関係を一層深めていくことが大切であろう.そのためには構想力を持ち,明確なビジョンを描き自ら組織を率いる人材と,事業価値を現実のICT (information and communication technology) システムへと落とし込む技術者達の役割が極めて重要である.

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