新型コロナウイルスによる在宅勤務の常態化は企業·個人の働き方に大きな影響を及ぼしている.首都圏,大都市を中心とした緊急事態宣言によるオフィスへの出社制限,コミュニケーションや業務プロセスのデジタル化,感染防止対策を施したオフィスへのリニューアルなど,企業はそれぞれのビジネスプロセスにおいて,オフィスの再構築を始めている.
本稿は新型コロナウイルスによる大きな外的環境変化を受けて,今後,働き方がどう変わっていくのか,コロナ禍中に実施したアンケート調査や事例を踏まえて解説する.そして,With/Afterコロナの働き方に対してオフィスはどうあるべきか,その役割について展望する.今回のパンデミックは,都市の時代ともいわれる21世紀において予測されていた非常事態であるが,それによって加速するデジタル化や働き方改革の本質についてもふれ,知価社会における働き方を前提としたオフィスの再定義について論じたい.