2021 年 60 巻 3 号 p. 274-280
近年の印刷市場は,オンラインメディアの利用拡大によるペーパーメディアの減少などから,その市場規模は大幅な減少を続けている.本稿では,ニューノーマル時代とも呼ばれる,新たな時代における商業印刷分野のあり方,ビジネスとしての考え方について,現状課題を踏まえた上で議論した.
デジタル印刷技術の普及やスマートファクトリー化など,目に見える形での技術進展は目覚ましいものがある.しかしながら,本質的に印刷ビジネスが将来に向けてそのポジションを維持していくためには,現在のような製造業としての立ち位置や装置産業から脱却し,顧客視点にそのビジネスを転換していくことが求められているのではなかろうか.顧客のニーズ,印刷物が担うべき目的と役割,さらには印刷物が実現する効果を明確にし,顧客にその本質的な価値を見せていくことが最も重要なポイントであろう.