2021 年 60 巻 4 号 p. 343-350
近年注目が高まっている付加製造法において,金属材料を対象とする造形法は,粉末床溶融法,すなわちレーザーや電子ビームをエネルギー源に用いるものが主流である.しかし装置本体やランニングコストが高いという課題があり,航空宇宙や医療など比較的高コストでも許容される用途にその活用が限定されてきた.一方,粉末にバインダーを塗布し固化させる結合剤噴射法,いわゆるバインダージェッティング法は,高生産,低コストな造形法として,ここ数年,金属材料への展開が急速に広まりつつある.本稿では,バインダージェッティング技術の概要,当該技術を金属材料へ適用している各社の最新動向,また筆者が所属する株式会社リコーにおける技術開発の取り組みを紹介し,今後の展望を議論する.