2021 年 60 巻 4 号 p. 351-357
鋳造は,鋳型に溶かした金属を注湯することにより自由な形状創製が特徴の加工プロセスで,内部形状に機能を有する部材の製造を得意としている.インクジェットの技術を用いた3Dプリンターにより鋳型を直接造形する技術は,模型からの転写では不可能なアンダーカットのある複雑形状の鋳型及び中子の造型,一体造形による鋳型キャビティ精度向上による薄肉化等に有効なことから鋳造品の高付加価値化に有効である.この技術は本質的に他の3Dプリンターに比べて高速で造形できることから,月産数千~数万個の製品の量産も可能である.これらの特徴を生かして砂型造形3Dプリンターの高速化を目指した開発を行った結果,高速化迅速試作·少量生産,薄肉化·軽量化,複数機能統合,複数部材の一体化,量産適用等に効果が認められた.