先の論文では,インクジェットプリンタの往復走査間の位置ずれによって生じる大幅な粒状性劣化を劇的に改善できる,ロバスト性向上ハーフトーン技術を新たに開発したことを報告した.これにより,粒状性劣化の問題は解決したが,同じ原因から生じる濃度変動の問題は未解決で,コックリングむら (メディアのコックリング発生部に生じる濃度むら) などの,致命的な画質問題を生じさせていた.そこで,この課題の解決を目指した結果,近距離にある2画素のペアが同時にドットオンとなる確率が,入力階調値の二乗,となるようにドット発生を制御することで,往復走査起因の位置ずれによる濃度変動を大幅に低減できることを発見した.また,それを適用した濃度ロバスト性向上ハーフトーン技術を新規開発し,その効果を確認した.