電子写真技術において現像器はトナーを帯電させ感光体上の静電潜像まで移動させるという機能を担うため,画質への寄与率が高く製品品質に及ぼす影響が大きい.しかしながら,トナーは粉体であり諸特性は分布を持つためトナー挙動の理論化は難しく,印刷を繰り返すことで分布が変化するため開発に多くの人手と時間を要している.本報告では,現像器開発の効率化を目指し,設計パラメータを用いた現像器のモデルについて紹介する.このモデルでは,現像ローラ周りの各機能がモデル上で繋がれ,トナー諸特性の分布が導入されているため,諸特性の分布変化による機能の低下を予測可能にする.さらに,それぞれの機能毎に適したシミュレーション技術と組み合わせることで,より製品設計で活用しやすいモデルへと拡張することができる.