日本画像学会誌
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Imaging Today
構造色インクジェット技術
佐々田 美里高田 勝之河本 匠真
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2022 年 61 巻 5 号 p. 515-521

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抄録

古来より,華やかな加飾として,貝を原料とする螺鈿細工やタマムシの羽を使用した玉虫厨子が知られている.これらは,貝やタマムシの羽に見られる構造発色による加飾方法である.現代でもその特殊な発色は高付加価値な加飾技術として注目され,工業製品等に用いられている.また,インクジェットはデジタル・オンデマンド性が高く,少量多品種への対応に適し,細線やグラデーション等の自由度がありデザイン性に優れる.当社は,インクジェットで構造色を印刷する技術を新たに開発した.染料や顔料を用いず,特定の波長の光を反射する光の波長程度の構造を印刷後に発生させることで発色し,構造色の特徴である角度や背景色により発色が変わる特徴がある.本稿では,当社が開発した技術を例として,構造色加飾について紹介する.

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© 2022 一般社団法人 日本画像学会
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