インクジェットは非接触の印刷方式であるため,飛翔する液滴は気流などの影響を受け,着弾までに揺らぐことが一つの特徴である.その揺らぎのランダム性を適度に調整することで,印刷状態に観察しやすい個別性を付与できる点に着目した.これは,文字の可読性を維持したままに,十分な個別性のある印刷を意図的に作成することが可能であると言える.本研究では,同じ印刷データを用いても同じ印刷にならないように調整することが可能であり,その異なる印刷物を撮影した画像データにより異なる印刷として判別できることを検証した.本印刷技術を半導体裏面保護テープに施した検証において,市場流通を想定した信頼性試験前後の印刷状態に大きな変化が現れないことと,正しく判別できることを確認した.本方法を発展させることで,電子部品の真贋判定およびトレーサビリティが実現できる可能性が示された.