デジタル印刷はネットワークの進化やCOVID-19の感染拡大でのリモートワークの推進等を受け,より広く使用されるようになってきている.その印刷に使用される材料は,トナーやインクジェットインクである.これらは各種化学物質から構成されている.トナーやインクが人体に影響を与えない,また,廃棄物処理の際の安全性等に配慮する設計としなくてはならない.化学物質などの健康影響についてはいろいろな機関で検討されており,その結果如何でトナーやインクに対する規制が強化されることになる.一方,消費者への情報提供も必要であり,いわゆる環境ラベルという形で消費者へ情報提供がなされている.
ここでは環境ラベルというものにつき,その位置づけと代表的な環境ラベルの概要について解説する.また,化学物資の規制の面から酸化チタンやPFAS (per-and polyfluoroalkyl substances) の話題についても解説するとともに,今後の流れについて簡単に触れていく.
最後に,あまり理解されていない中国独自の国家標準というものについて,国家標準の位置づけと画像に関連する標準について,解説していく.
抄録全体を表示