抄録
本研究では,塗替え塗装鋼板の腐食劣化特性を求めるため,実際に36年間供用された鋼橋の桁に3種類の素地調整及び4種類の塗装系を用いて塗替え塗装を施すことにより供試体を製作し,これらを用いて300日間の塩水噴霧複合サイクルの環境促進実験を行った.供試体は100日経過ごとに3体ずつ取出し,クロスカット部からのふくれ面積や光沢度保持率などを計測することにより劣化度を評価した.3種類の素地調整と4種類の塗装系を組み合わせて,それぞれを施した供試体の経時的な劣化特性を明らかにし,これらを比較検討することにより,素地調整の程度や塗装系による腐食劣化特性の違いを把握した.また,ふくれ面積を用いた劣化曲線を作成することによる塗替え時期の推定法を提案し,鋼橋塗装の合理的な維持管理計画に向けた基礎的データを提供した.