2024 年 63 巻 4 号 p. 397-405
装着感がなく,非侵襲で皮膚表面から多種バイタルを計測することで遠隔見守りや医療・健康管理に応用するフレキシブルセンサシステムの研究開発が世界的に競争となっている.皮膚表面から計測される情報として心電図や体温などのような物理的情報に加え,汗中に含まれる化学的情報の常時計測に注目が集まっている.本稿では,これら物理・化学的情報の常時計測に向けた,我々の研究グループでの取り組みについて紹介する.特に最近の取り組みとして,切り紙構造を付与することで装着感を向上させ,さらに日常生活においてノイズの少ない心電図計測のセンサシートや,脱水症予防に向けた発汗センサについて紹介する.また遠隔見守りを実現するため,これらセンサに搭載する無線システムや結果を表示するスマートフォンアプリを開発,そして簡単な実証試験結果について議論する.本成果はまだ実用化へと結びついていないが,これらの成果の集積により次世代の遠隔見守りを実現するものであると期待している.