日本画像学会誌
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Imaging Today
1D-CAEとサロゲートモデル連成によるサーマル印字プロセスの熱計算手法
丸山 泰弘
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2025 年 64 巻 2 号 p. 200-204

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抄録

本研究では,1D-CAE(1 dimensional computer aided engineering)にニューラルネットワークを用いたサロゲートモデルを組み込む手法を提案し,サーマル印字プロセスの熱計算の高速化を実現した.サーマル印字は,抵抗発熱体による熱を用いて印字を行う技術であり,計算モデルの精度と効率が求められる.本研究では,Modelicaを用いてサーマル印字プロセスの計算モデルを構築し,ヘッドと媒体を個別のコンポーネントとして作成した.媒体コンポーネントにはGRU(gated recurrent unit)を用いたRNN(recurrent neural network,回帰型ニューラルネットワーク)を組み込み,ヘッド温度と媒体速度から熱流量と印字指標の複雑な因果関係を予測するモデルを構築した.FEM(finite element method,有限要素法)モデルを用いて生成した教師データを基にRNNを学習させ,1D-CAEの計算モデルを完成させた.これにより,従来のFEMに比べて大幅な計算時間の短縮が可能となり,複雑な熱履歴制御の検討に有効なツールとなることを示した.

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