2025 年 64 巻 4 号 p. 336-347
3Dプリンティング医療機器の市場予測においては,世界的には3Dプリンティングの急成長が見込まれている.3Dプリンター(三次元積層造形技術)は,生体情報等のデジタル化の進展とともに,日常生活および患者の治療に最適な医療機器の開発・臨床使用を可能とする.夕方に設計データおよび試験条件などをセットすれば,翌朝には製品が造形できており,従来と異なる製造スタイルが実現でき,深夜の安い電力を使用することも可能であるため,新たなものづくり技術としての期待が高い.病院の近くに設置或いはIoT(Internet of things:モノのインターネット)化できれば医師と製造技術者が密に連携した製品開発および治療を実現できる.歯科分野および整形外科インプラント分野を中心に最新開発動向を解説する.