日本画像学会誌
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Imaging Today
剣山式バイオ3Dプリンタ:再生医療の最前線
樫本 翔平吉里 広兪 俊杰村田 大紀中山 功一
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2025 年 64 巻 4 号 p. 348-356

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抄録

再生医療は,事故や病気によって損傷した組織や臓器の機能を回復させる,もしくは代替することを目的とした研究分野であり,社会的・医学的な重要度は世界的に高まっている.近年,バイオ3Dプリンティング技術を用いて立体的な構造体を造形する研究が急速に発展している.工学分野で使用されている3Dプリンタとバイオ3Dプリンタは,多くの技術的要素を共有しているが,細胞と生体材料を組み合わせてインクとして使用する点において,両者の間には明確な違いがある.本稿では,細胞を用いて組織を作製する再生医療やバイオ3Dプリンティング技術について概説する.また,当研究室で開発した剣山式バイオ3Dプリンタについても言及し,本技術が開発された経緯や,システムの自動化を目的とした画像処理技術などの応用について簡潔に述べ,動物実験やヒトを対象とした研究について紹介する.

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© 2025 一般社団法人 日本画像学会
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