2026 年 65 巻 2 号 p. 151-158
今我々が思っている「あたりまえ」は,新しい原理や知見が見いだされ,大多数の人に受け入れられれば,新しい「あたりまえ」に置き換えられる.
従来廃棄プラスチックの物性がバージン品と比較して著しく低下している原因は,再生不可能な高分子鎖の切断を伴う化学劣化とされており,そのためにマテリアルリサイクル研究は全く停滞していた.それに対し我々は,物性低下の主原因が成形履歴の残存に基づく内部構造変異に由来する物理的現象である事,また十分に溶融緩和処理を行うことで,再生が可能であるという,「物理劣化・物理再生理論」を世界で初めて提唱した.またこの理論に基づいた,樹脂溜まり部を設置した押出機をデザインし,その機能の証明を行った.
この理論を新たな「あたりまえ」とすることで,高度で多回のプラスチック資源循環社会があたりまえに確立できる.