2026 年 65 巻 3 号 p. 261-268
近年,電子顕微鏡,X線,光などを用いた先端計測の高度化により,空間・エネルギー・時間にわたる高次元かつ大規模なデータ取得が可能となっている.一方で,その解析には従来の経験的手法では限界があり,計測データを統合的に解釈し知識へと変換する枠組みとして計測インフォマティクスが重要となっている.本稿では,計測インフォマティクスの概念を整理した上で,走査電子顕微鏡カソードルミネッセンス(Scanning Electron Microscopy Cathodoluminescence: SEM-CL)スペクトルイメージング(Spectral Imaging: SI)の高次元データ分解,三次元アトムプローブ(Three-Dimensional Atom Probe: 3DAP)と電子トモグラフィ(Electron Tomography: ET)の非剛体レジストレーション,Vision Transformer(ViT)によるX線回折スペクトル識別を例に,その有効性と今後の展望を概説する.