ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC/MS)は,広範な化合物の観測が行えるため,環境や材料化学,食品などの幅広い分野で活用されている.GC/MSの化合物同定は,データベース参照により行われるが,データベースに登録されていない化合物が多く存在する.それら化合物は,構造情報が無い未知化合物となり,その存在は仮説検証やトラブル解明を妨げるものである.我々はこのような化合物の構造式推定を目的に,精密質量測定が可能なガスクロマトグラフ飛行時間質量分析計(GC-TOFMS)と機械学習を組み合わせた解析手法を開発した.この手法により,既存の電子イオン化(EI)マススペクトルのデータベースに登録されていない化合物の構造推定が可能となり,従来手法より広範な化合物の構造情報が得られることを確認した.本記事では,開発した手法及び用いている機械学習技術と適用例を紹介する.