1996 年 14 巻 2 号 p. 185-195
情報送信者と情報受信者を感覚伝達を遮断した2部屋に配置し、感覚外情報伝達を試み、その時の両者の脳波を測定した。感覚外情報送信は継続した2分間の無作為に選ばれた前半または後半において行い、受信者はその送信時間帯と送信内容を推測する。20回の試行の結果、受信者は送信時間帯は統計的に有意に推測することができなかったが、感覚外情報送信時と非送信時の脳波のα波平均振幅の間には統計的に有意な差がみられ、下意識における感覚外情報伝達の存在が示唆された。その感覚外情報伝達は、送信者の脳での反応直後に完了するものではなく、受信者の脳で、まず、後頭野から頭頂野にかけての反応があり、次に、右前頭野での反応が起こるという経過を経て構成される。