国際生命情報科学会誌
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原著論文
氣功及び鍼灸治療過程における生理的な測定とカオス解析
上田 至宏樫葉 均石井 昌明中吉 隆之
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1997 年 15 巻 2 号 p. 306-319

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抄録

生体の現象はゆらぎを伴った平衡状態で成立する。そこで1)瞑想、イメージに於ける脈拍の変化、2)合谷鍼刺激と脈拍の変化、3)鍼麻酔の影響によるH波反復誘発筋電図の変化等、連続した計測指標にカオス解析を適用しゆらぎの視覚化と分析を試みた。いままで客観化することが難しかった、精神心理学や鍼灸技法(補法と寫法、取穴部位、刺激方法など)に、アトラクターと、リアプノフ指数を導入することで、その影響と経過が観察できる。鍼灸の効果は生体のゆらぎに影響を与え、生体本来が示す状態に引き戻す効果があるようである。また鍼麻酔は上位脳からの制御を遮断し、運動系にも影響していた。氣功、瞑想はよく似たゆったりとしたカオス状態を示し、イメージとはちがうことが脈拍からも判断できた。

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© 1997 国際生命情報科学会
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