抄録
気功は、調身、調息、調心を用いた中国の一種の心身鍛練方法とされている。気功の種類は非常に多くあり、その中の一つに回春功と呼ばれる功法がある。そして、この回春功の鍛練体系の中にも様々な方法が含まれている。今回は、回春功の中の一つの方法であるイメージを伴う静功法に対して各種生理測定を行った。測定項目は心電、血圧、呼吸、皮膚表面温度等であり、これらの項目は同時刻に測定された。測定は安静、回春功、安静の順で行われた。心拍数の上昇、心電R点電位の減少、LF / HFの値の上昇、血圧の上昇、脈圧の上昇、t_1の減少、脈波伝播時間の減少、加速度脈波の|b / a|の値の減少から、この功法を行っていた時に交感神経が優位な状態であったことが示唆される。呼吸数の減少、呼吸の振幅値の上昇より長く深い呼吸をしていたことが示唆される。