抄録
数千年の歴史を持つ中国の気功は、病気予防や治療に効果があるとして近年世界中に広まっているが、そのメカニズムは未解明部分が多い。本研究は気功の三つの要素(調身、調息、調心)の内、調息に焦点を当てるものである。呼吸(吸気と呼気)の時間を意識的に制御すると、安静状態に較べて酸素濃度(SpO2)、二酸化炭素(CO2)、脈波の伝搬時間(遅延時間)等に顕著な生理変化が認められた。気功は煤功者の体の状態に相応しい練習をすべきとあり、気功訓練中の呼吸法(調息)の意義を踏まえて適切な功法の選択や練習方法を模索した。