国際生命情報科学会誌
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第12回生命情報科学シンポジウム
少林内攻の生理的動態に関する研究
李 強松浦 義昌坪内 伸司李 啓明清水 教永
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2001 年 19 巻 2 号 p. 302-312

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抄録

本研究は、少林内功試行時における生理的動態を明らかにするため、呼吸循環器系機能の反応を分析した。被験者は、少林内功の修練年数40年以上の経験を持つ55歳の男性1名である。少林内功試行中の心拍レベルは、最大心拍数66%〜77%の範囲を示し、酸素摂取量は31%〜45%の範囲であった。主観的運動強度は、レベル4〜6の範囲であった。血中乳酸濃度は、安静初期値より少林内功によって2.8〜4.0mmol/lの増加が認められた。換気量は、安静初期値に対し15.4l/minの増加が認められた。呼吸効率は、安静初期値に対し9.5ml/lの増加が認められた。血圧および呼吸数は、安静時に対しほとんど変化が認められなかった。以上より、少林内功試行は、最大等尺性筋収縮を行いながらも、自然呼吸によって呼吸効率を向上させていることが明らかとなった。また、少林内功は、最大等尺性筋収縮時に認められる収縮期血圧の上昇を抑制し、呼吸数の変化も認められないことから、内臓系反射の働きに何らかの影響を及ぼすものと推察できる。

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© 2001 国際生命情報科学会
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