2005 年 23 巻 1 号 p. 63-64
本研究の目的は、ヒトの背面温度分布の定量化に関する研究を行った。背面温度分布は赤外線カメラによって計測された。解析は、被験者の背面形状を標準背面体形に変換し、その標準体型を21領域に分割して統計処理を行う方法を開発した。21領域ごとに平均および最高、標準偏差を計算した。基礎研究として、部屋の温度やサーディアンリズム、体脂肪率、アーチファクトについて検討した。背面温度分布の計測は、26度以上の部屋で脱衣後5分以内に計測した。背面温度のサーカディアンリズムにより、温度が安定している14:00から17:00の時刻に計測を行った。また、背面温度分布の平均温度は体脂肪率に相関し、脂肪量が高いと温度が低く、脂肪量が低いと温度が高くなる傾向にあった。背面温度分布のアーチファクトが食事や椅子の背もたれ、服の密着度等によって生じることがわかった。上記の測定条件を踏まえた上で、岡田式浄化療法と対照実験間の背面温度分布の変化を比較したところ、岡田式浄化療法を施術された被験者の背面温度が対照実験の温度変化より上昇する傾向にあった。つまり、背面温度分布解析は岡田式浄化療法のリラクゼーション効果の定量化について有効な方法であることが示唆された。