国際生命情報科学会誌
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会長講演
世界観の反コペルニクス的転回 : 宇宙のアノマリーとしての自己と他者
(会長講演,第33回生命情報科学シンポジウム)
渡辺 恒夫
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2012 年 30 巻 1 号 p. 35-36

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抄録

近代科学では「科学性=客観性」であるが、客観性の要件である公共性・再現可能性ある観測とは、「誰でもよい誰かによる」観測に他ならない。誰でもよい誰かによる観測データで造られた科学的世界の中の人間とは、「誰でもよい誰か」であって、この私でもなければ、あなたでもない。故に「自己」と「他者」は、科学的宇宙像の中での変則事象として、しばしば驚愕を以って体験されざるを得ない。本講演では、著名な科学者らに見るそのような驚愕体験を分析し、意識の超難問として定義し、その解決のために、独我論的な自己-他者構造を世界の基本単位として世界像を構成し直すという、反コペルニクス的転回の道を唱える。

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© 2012 国際生命情報科学会
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