国際生命情報科学会誌
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研究発表
嗜好品(ノンアルコールビール)のリラックス効果
橋爪 秀一河野 貴美子小久保 秀之山本 幹男桂川 秀嗣鎌田 明彦渡辺 恒夫
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2015 年 33 巻 1 号 p. 48-52

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抄録

嗜好品であるノンアルコールビールのリラックス効果を、心理生理学指標である皮膚伝導水準(SCL)と心拍(HR)とを用いて評価することを試みた。10名の大学生が被験者として参加し、安静の後、7分間の内田クレペリン検査及び3分間の暗算により、ストレスを負荷した。その後、2種類のノンアルコールビール、キリンフリー及びアサヒドライゼロ、或いはコントロールとして水を1分間で摂取した後、椅子に静かに座る閉眼安静を10分間行った。RussellとLaniusの気分特性モデル(Russell and Lanius model of affective quality)により解析した結果、両ノンアルコールビールは強いストレス改善効果を有することが明らかになった。また、嗜好調査の結果、全被験者がビール好きではあったが、ノンアルコールビールは好きではなかった。これらの結果から、ノンアルコールビールは、嗜好に関係なく、ストレス改善効果があると考えられる。そのメカニズムは明らかではないが、両ノンアルコールビールに含まれるホップは、ハーブの一種でストレス改善効果があることが知られており、ノンアルコールビール中の素材がストレス改善効果に効いている可能性がある。

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