国際生命情報科学会誌
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33 巻, 1 号
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編集委員会・著作権
目次
お知らせ
巻頭言
  • 山本 幹男
    原稿種別: 本文
    2015 年 33 巻 1 号 p. 3-6
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2018/10/03
    ジャーナル フリー
    国際生命情報科学会(ISLIS)は、本年2015年に創立20周年を迎え、皆と共に祝したい。ISLISの設立趣意は、物質中心の科学技術から、こころや精神を含んだ21世紀の科学技術へのパラダイム・シフト(枠組革新)を通じ、人間の「潜在能力」の開花により、健康、福祉、教育と社会および個人の幸福や心の豊かさを大きく増進させ、自然と調和した平和な世界創りに寄与する事である。ISLISは1995年の創立来、現在の科学知識の延長で説明が出来そうも無い不思議なこころや精神を含んだスピリチュアル・ヒーリング、気功、潜在能力、超心理現象などの存在の科学的実証とその原理の解明を追求して来た。この間に生命情報科学シンポジウムを、韓国やブラジルでの開催や8回の合宿形式を含め、39回主催し、英文と和訳付の国際学会誌Journal of International Society of Life Information Science(J.Intl.Soc.Life Info.Sci. or Journal of ISLIS)を年2号定期発行し、総計6,000頁以上の学術論文と発表を掲載し続けてきた。また単行本「潜在能力の科学」も出版した。この間に、不思議現象の存在の科学的実証には多くの成果を挙げた。しかし、その原理の解明は世界的にもほとんど進んでいない。本学会は現在、世界の11カ所に情報センターを、15力国以上に約235人の会員を、擁している。今回の第39回生命情報科学シンポジウムは、創立20周年記念として、「未知なる科学への挑戦」を主テーマとして掲げ、2015年3月14・15日(土・日)に昨春と同じ東邦大学医学部大森にて主催する。次回第40回は、第IX回の合宿形式で、やはり創立20周年記念として、「癒しと不思議の科学」を主テーマとして掲げ、2015年8月28-31日(金-月)に第1回合宿の開催地で気の里や分杭峠で高名な長野県伊那郡長谷の「入野谷」にて主催する。多くの発表や参加・入会を期待する。
原著論文
  • 小久保 秀之, 清水 武
    原稿種別: 本文
    2015 年 33 巻 1 号 p. 7-24
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2018/10/03
    ジャーナル フリー
    筆者らは共同研究者とともに2006年以来、白いぼキュウリ切片を生体センサとしてbio-PKの研究を行っており、最近ではキュウリ切片から生じるガスの増加を課題として非接触ヒーリングを実験している。その研究を通じて筆者らは、実験試行の前後に対照試行を行うという標準的な実験デザインが、bio-PK実験では必ずしも有効でないことに気付いた。それは、同一日に1試行30分のヒーリング2試行と、ヒーリング試行の直前直後に無人試行(ダミー試行)を行うと、本来ゼロであるべきダミー試行でJ=約0.1の大きさの異常値が検出されるというものだった。本研究では過去の実験データと新たに実施した実験データを合算し、ヒーリング実験とは別の日に行ったダミー試行のデータと比較することで、この現象を検討した。被験者は公募したエネルギー療法タイプのヒーラー15名(男4名、女11名)で、実験当時の年齢は23〜72歳、平均年齢は44.3歳であった。結果、ヒーリング試行と同一日に実施したダミー試行の平均J値はJ=0.115±0.033(95%信頼区間、n=83)、別の日に実施したダミー試行の平均J値はJ=0.002±0.061(95%信頼区間、n=22)となり、両者の間に統計的有意な差があった(p=.002、両側、Welch検定)。この結果から、ヒーリング実験当日にヒーリング試行の前後1〜2時間に行うダミー試行は、ブランク実験と見なすことができないと結論された。ダミー試行の特異効果の原因は、被験者が実験場所に注意を向けたことによる遠隔作用が有力と推測された。
症例研究
  • 西本 真司
    原稿種別: 本文
    2015 年 33 巻 1 号 p. 25-47
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2018/10/03
    ジャーナル フリー
    統合医療としての癌治療経過報告が、長期に行われるケースが、近年少しずつ増加している。今回2004年の韓国での本学会報告から10年経過したところでの発表5症例の経過報告と、5年以上の経過のある73歳男性、前立腺癌症例、79歳代男性、肝臓癌症例、76歳女性、胃癌切除後膵臓転移症例、55歳女性、甲状腺癌ステージIV A、そして経過は5年に満たないがアポトーシスの指標の抗p53抗体が明らかに低下した乳癌ステージII Aの58歳女性の経過報告を行いたい。10症例中、4例は他界する形をとったが、その経過からのメッセージを今後の医療の良き提言として様々な面で学び、経過良好のケースから、統合医療の癌に対するアプローチ10年以上行ってきている当院の今の現場を考察し、報告していきたい。
研究発表
  • 橋爪 秀一, 河野 貴美子, 小久保 秀之, 山本 幹男, 桂川 秀嗣, 鎌田 明彦, 渡辺 恒夫
    原稿種別: 本文
    2015 年 33 巻 1 号 p. 48-52
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2018/10/03
    ジャーナル フリー
    嗜好品であるノンアルコールビールのリラックス効果を、心理生理学指標である皮膚伝導水準(SCL)と心拍(HR)とを用いて評価することを試みた。10名の大学生が被験者として参加し、安静の後、7分間の内田クレペリン検査及び3分間の暗算により、ストレスを負荷した。その後、2種類のノンアルコールビール、キリンフリー及びアサヒドライゼロ、或いはコントロールとして水を1分間で摂取した後、椅子に静かに座る閉眼安静を10分間行った。RussellとLaniusの気分特性モデル(Russell and Lanius model of affective quality)により解析した結果、両ノンアルコールビールは強いストレス改善効果を有することが明らかになった。また、嗜好調査の結果、全被験者がビール好きではあったが、ノンアルコールビールは好きではなかった。これらの結果から、ノンアルコールビールは、嗜好に関係なく、ストレス改善効果があると考えられる。そのメカニズムは明らかではないが、両ノンアルコールビールに含まれるホップは、ハーブの一種でストレス改善効果があることが知られており、ノンアルコールビール中の素材がストレス改善効果に効いている可能性がある。
  • 足達 義則, 笹山 雪子, 上杉 一秀
    原稿種別: 本文
    2015 年 33 巻 1 号 p. 53-61
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2018/10/03
    ジャーナル フリー
    生体は、生体維持のため刺激に対して特有な反応を示す。本研究では、刺激として音刺激(音楽)、光刺激(周期的点滅光)、匂い刺激(香水)を取り上げて脈波形の変化を加速度脈波形で計測し、脈波形の時間変化をウェーブレット解析で検討した。当然、個人性が大きく現れるため個々の被験者について一様な値とはならないが、何らかの変化の特徴について検討する。具体的には、RRI時系列データをウェーブレット解析とスペクトル周波数で解析し、個人の生体反応の特徴と刺激の違いによる反応の特徴を検討した。
  • 種市 孝
    原稿種別: 本文
    2015 年 33 巻 1 号 p. 62-69
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2018/10/03
    ジャーナル フリー
    物理学的基盤の上に立って、脳活動以外に意識の源泉を求める場合、多次元宇宙描像は困難で非自明な問題を解決してくれる。しかしそのような描像の、問題への単純適用は、ある種の階層性の問題とも言える別の問題に抵触してしまう。パラサイトフェルミオンは余剰次元、即ち我々の住む4次元宇宙の外側に存在する物質粒子である。我々の宇宙に存在する、ホストフェルミオンと名付けられる物質粒子とそれとの性質上の相違を、その相違を生む出すメカニズムと共に概括する。このメカニズムにより、当該物質粒子は、我々の近傍に存在するにも拘らず不可視となり得る。では、この新規な物質の存在様式を心身問題に適用すると、どのような成果が期待できるであろう?脳外に心の源を求める際に乗り越えなければならない問題を、パラサイトフェルミオンモデルが解決できることを示す。
  • いとう たけひこ, ゴールドスティン キース
    原稿種別: 本文
    2015 年 33 巻 1 号 p. 70-75
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2018/10/03
    ジャーナル フリー
    地震、津波、そして原発事故と2011年3月11日に東日本大震災で被災した人々への災害支援活動のなかには様々な活動のタイプがある。そのなかでも人々に幸せをもたらす共通の物語のテーマがあるはずである。本研究では1659人の調査に基づいて質的・量的分析をおこない、東北支援のタイプをカテゴリー化した。そして、その中でもコミュニティにたいしてポジティブな経験をもたらすようなものとネガティブな経験をもたらすような場合とで何に差があるかを分析し、「地球幸福憲章」との関連について考察する。
  • 大島 章嘉
    原稿種別: 本文
    2015 年 33 巻 1 号 p. 76-77
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2018/10/03
    ジャーナル フリー
    実行力・創造力は、実践的に幸せ度向上に役立つものとして期待されている。実行力・創造力向上に何が大切か、何が不足するものとして効くかを明らかにした。実行力と創造力の関係性、幸せ度との関係性も明らかにした。
  • 大島 章嘉
    原稿種別: 本文
    2015 年 33 巻 1 号 p. 78-79
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2018/10/03
    ジャーナル フリー
    世界一の長寿国・日本で、健康・長寿のために何が大切か何が不足しているのかを計量社会学的手法で明らかにした。健康には趣味や愛が大切であり、長寿には好奇心やコミュニケーションが大切であるとの結果となった。
  • 中島 亨, 戸部 有希子
    原稿種別: 本文
    2015 年 33 巻 1 号 p. 80-
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2018/10/03
    ジャーナル フリー
    睡眠offsetの障害である起床困難は生活障害につながり、onset障害の不眠症に比較し障害と扱われ難い。我々は12例の起床困難者に対し、"朝起きられる"との暗示による自己覚醒を試みた。その結果12例中7例で覚醒が可能となった。一方、注意欠如・多動症を有する起床困難14例に対しatomoxetine投与がほぼ半数で有効であった。起床行動には注意の持続が影響し薬物が有用な可能性がある。
研究発表 & ワークショップ
  • 橋本 和哉
    原稿種別: 本文
    2015 年 33 巻 1 号 p. 81-
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2018/10/03
    ジャーナル フリー
    古来から人が死ぬと肉体から霊が離れ霊界に行くと言われます。何らかの事情で霊界に行けない霊がいます。そうした霊が霊に敏感な人に憑依して、不眠、悪夢、イライラなどの障害が起こった場合、霊障と呼ばれます。それを改善するには浄霊が必要です。一般に浄霊には高次元存在に頼む方法がありますが、気のエネルギーで浄霊する方法を検討しました。種々の試みの結果、憑依した霊と高次元の神的存在をエネルギー的につなぎ、憑依霊を癒やす気エネルギーで上手く浄霊できました。浄霊できた症例と、浄霊が気のエネルギーワークで効率良く対処できうることをお伝えします。
ミニシンポジウム 魂か超能力か? 「超サイ vs 死後存続」
  • ミニ・シンポジウム:魂か超能力か? 「超サイvs死後存続」,第39回生命情報科学シンポジウム
    小久保 秀之
    原稿種別: 本文
    2015 年 33 巻 1 号 p. 82-85
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2018/10/03
    ジャーナル フリー
    過去の人格と新しい人格との間で記憶・人格特性・嗜好などに連続性が認められる場合を「転生様現象」として、超サイ仮説と死後存続仮説を理論の予測可能性、アルゴリズムの限界という観点から検討した。理論の予測可能性という点で超サイ仮説は死後存続仮説よりも有力である。しかし、転生様現象で直観力など、記憶データ以上のものが転送されているのであれば、超サイ仮説とは別のシステム保持機構(死後存続仮説を含む)が必要と思われる。
  • ミニ・シンポジウム:魂か超能力か? 「超サイvs死後存続」,第39回生命情報科学シンポジウム
    大門 正幸
    原稿種別: 本文
    2015 年 33 巻 1 号 p. 86-
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2018/10/03
    ジャーナル フリー
    19世紀から20世紀にかけての信頼できるミディアムの研究によって、一見したところ、肉体の死後も人間の意識が存続すること(死後存続仮説)を示す有力な証拠が蓄積されてきたように思われる。しかし、証拠をこのように解釈する見方に対して、別の見解が提出されている。すなわち、ミディアムはテレパシーによって故人を知っている生者の意識の中から、その故人に関する情報を読み取っているか、超能力を使ってその故人に関する現存する記録から情報を入手しているという説(超サイ仮説)である。本発表では、両方の仮説を支持する証拠を吟味し、生まれ変わり型事例や、最近新しく実施されるようになったミディアムに関する実験から、死後存続仮説にとって有力な証拠を得られていることを示す。
  • ミニ・シンポジウム:魂か超能力か? 「超サイvs死後存続」,第39回生命情報科学シンポジウム
    岡本 聡
    原稿種別: 本文
    2015 年 33 巻 1 号 p. 87-
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2018/10/03
    ジャーナル フリー
    『伊勢物語』注釈において三十九段の二条后が亡くなる場面は正徹注において秘伝化されている。心敬は、これを「本覚の都」(空)と表現し宗祗以後の「五大」循環思想につながっている。ところが新注と言われる契注においては「常見」「断見」を否定する形でこれに独自の解釈を加えている。本発表ではこれを中心に「魂」の存続非存続について考察したい。
ミニ・シンポジウム 心身相関について  ‐ 心が身体に及ぼす影響について医学的/実践的見地から検討
  • ミニ・シンポジウム:心が身体に及ぼす影響について-医学的・実践的見地から検討,第39回生命情報科学シンポジウム
    坪井 宏仁
    原稿種別: 本文
    2015 年 33 巻 1 号 p. 88-
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2018/10/03
    ジャーナル フリー
    〔背景〕抑うつ気分が、身体の状態および身体疾患と関連することは、精神神経免疫学によって確認されてきた。抑うつ気分をコントロールすることは、心身のwell-beingを保つことに有益であろう。〔方法〕今回は、抑うつ度とその緩衝因子である社会的サポートを高齢集団において評価した結果を例示する。日本老年学的評価研究データを用い、65歳以上の約26000名を対象に、抑うつ度(GDS得点)と社会的サポート(4側面で評価)の男女差を横断的に解析した。〔結果〕抑うつ度は、既婚者:男性<女性、死別後1年以内:男女差なし、死別後1年以上:男性>女性であった(ANCOVA、年齢・疾病などで調整)。ただし、既婚者の抑うつ度の男女差は、SES(socio-economic status、ここでは教育年数と所得)で調整すると消失した。一方、社会的サポートは、配偶者からのサポートの頻度は男>女性ではある一方、それ以外のサポートは男<女であった。また、社会的サポートは、与える方が受けるよりも抑うつ度が低くなる傾向があった。〔結論〕心身の健康に関連する抑うつの状態と社会的サポートの特徴を把握することは、well-beingのための社会的・個人的介入に向けた有効な戦略のヒントになるであろう。
  • ミニ・シンポジウム:心が身体に及ぼす影響について-医学的・実践的見地から検討,第39回生命情報科学シンポジウム
    河野 貴美子
    原稿種別: 本文
    2015 年 33 巻 1 号 p. 89-
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2018/10/03
    ジャーナル フリー
    著者は長年にわたり、催眠、瞑想、気功、太極拳、さらに各種ヒーリング等、さまざまな状態下での脳波計測を行い、それらデータから心と身体の関連を考えてきた。身体の状態を調えることで心を調えていく方向に重点が置かれることの多い気功に対し、心から身体への方向が大きいと思われる瞑想。また、ヒーリングにおいても、身体の調整から入る整体系の手法に対し、音楽や香りによるヒーリングは心の状態を整えて、身体の不調を調整する要素が大きい。しかしながら、気功や太極拳でもベテランになるほど筋力を使わずに自然体で、つまり心のままに動いている様子がうかがえる。また、瞑想も姿勢は当然重要な要素であるように、最終的には心と身体を分離して考えることはできない。むしろ、その一体感を感じ取ることこそ気功でも瞑想でも重要と思われる。脳波では、通常の閉眼安静時に後頭部に大きいα波が、気功や瞑想では前頭部にも現れる。しかも断続的に、α波の出る時間帯、出ない時間帯(β波の目立つ時間帯)、を繰り返すような波形がしばしばみられる。心と身体の一体感、つまり、意識と無意識の間を行き来する微妙なバランス状態を表しているとも考えられ、この状態が重要なポイントと思われる。さまざまなデータからその点を詳しく検討してみたい。
  • ミニ・シンポジウム:心が身体に及ぼす影響について-医学的・実践的見地から検討,第39回生命情報科学シンポジウム
    串田 剛, 河野 貴美子
    原稿種別: 本文
    2015 年 33 巻 1 号 p. 90-
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2018/10/03
    ジャーナル フリー
    心身相関の研究の進歩に伴い医療の分野でも従来の心身症だけでなくさまざまな病気と障害における心身相関が言及されるような時代になってきた。しかし西洋医学的ガイドラインや治療マニュアルに心身医学的解釈を入れて診断治療を行っても回復しないケースも存在する。その場合テーラーメード的、アート的な技術が治療に求められる。今回は施術側の瞑想を利用しクライアントさん個々の潜在意識の思考や感情や受けているエネルギーを推測しながら行うシータヒーリングを脳波変化の側面から解釈し紹介する。今回は20例の脳波変化に共通の生理学的現象を紹介する.シータヒーリング中にクライアントに起こる生理学的変化から我々はヒーリングが生体に起こす可能性の一端をみることができる。このデータからその応用方法と心身相関時代の医療への貢献の可能性を探る。
ミニ・シンポジウム 魂の医療・魂の教育
  • ミニ・シンポジウム:魂の医療・魂の教育, 第39回生命情報科学シンポジウム
    大門 正幸
    原稿種別: 本文
    2015 年 33 巻 1 号 p. 91-
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2018/10/03
    ジャーナル フリー
    近年、臨死体験や過去生およびそれに関連する記憶を持つ子どもの事例、故人との交信が可能に思われるような霊媒の存在、といった様々な現象に関する研究は、人間のスピリチュアルな側面を過小評価し、人間の意識(心)を脳活動に付随する二次的な現象であるとみなす、本流科学における人間観が根本的に過っていることを示唆している。これらの研究はまた、人間の生命を偶然の産物に過ぎず、それゆえ本質的には無意味なものであるとみなす本流科学の唯物主義的な見方に大きな疑問を投げかけている。このシンポジウムでは、特に「中間生記憶」を語る子どもや、出産にまつわるシンクロニシティ(共時性)、その他のスピリチュアルな現象に触れながら、新たに姿を表しつつある未来の人間観を描いてみたい。
  • ミニ・シンポジウム:魂の医療・魂の教育,第39回生命情報科学シンポジウム
    稲葉 俊郎
    原稿種別: 本文
    2015 年 33 巻 1 号 p. 92-
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2018/10/03
    ジャーナル フリー
    医療現場で診療に従事していると、病は単純に治すべき対象として存在しているわけではなく、内なる自然そのものである心や体の声として、メタファーとして読み解くべき深い意味を持っていることに気づかされる。未来の医療においては、病の治療法の探究だけではなく、病がその人にとってどのような意味を持つのか、共に読み解く作業も重要になるだろう。そして、病や死はマイナスの意味だけではなくプラスの意味もあることに気付くことで、病や死への深い理解へ至ることができるようになる。今回のミニシンポジウムでは、自然、からだ、こころ、あたまとの関係性の中で、どのようにして病がメタファーとして現れてくるかを述べる。その上で、未来の医療はどのような形になっていくかを論じたい。
  • ミニ・シンポジウム:魂の医療・魂の教育,第39回生命情報科学シンポジウム
    市川 きみえ
    原稿種別: 本文
    2015 年 33 巻 1 号 p. 93-
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2018/10/03
    ジャーナル フリー
    近年、「胎内記憶」に代表されるような、子どもの語りを通してのいのちの誕生にまつわるスピリチュアリティの研究が進んでいる。一方で、死に関与する共時現象は所謂「お知らせ」現象などとして、霊魂の関与を示唆する現象が周知されている。それに対して、筆者は、助産師として出産の現場に立ち会うなかで、神の采配による人智を超えた神業としか考えられない数々の共時現象を目の当たりにしてきた。それは例えば、誕生日、誕生時刻、出生体重、生まれるタイミングに関する事象が多く、それらが出産に関わる者や他界した死者との関係性を暗示するような事象として顕現する。そこには死にまつわる共時現象同様、死者の霊魂の関与も示唆されるが、体験者が永遠のつながりのなかで授かり受けたいのちとしてその尊厳を見出すことが重要である。そこで、本発表では実際の共時性体験と体験者の語りを紹介する。
  • ミニ・シンポジウム:魂の医療・魂の教育,第39回生命情報科学シンポジウム
    池川 明
    原稿種別: 本文
    2015 年 33 巻 1 号 p. 94-
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2018/10/03
    ジャーナル フリー
    胎内記憶を語る子供の数が最近は増えてきているように思われる。2000年頃の中間生記憶では、雲もしくは空から母親の元に来た、と語る内容が多かった。最近は宇宙から、他の星から、という内容が増えてきている。さらに、生まれてくる目的も変化してきているようで、他人の役に立つためというものから地球を救いに来た、という内容に変化しつつある。これから考えられることは、人類が存在する目的そのものが変化していることを想起させる。そのような変化から未来の予測を試みる。
特別講演
  • 特別講演,第39回生命情報科学シンポジウム
    岩根 和郎
    原稿種別: 本文
    2015 年 33 巻 1 号 p. 95-
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2018/10/03
    ジャーナル フリー
    生命を考える時、思考の根元となる宇宙観を明確にせずに議論を進めるとすれば、それは砂上に楼閣を築くの如くである。二千年前に説かれた般若心経を現代的に読み解くことで宇宙という全ての根元を明らかにしたい。この盤石な世界観の上に議論を積み上げてこそ、将来の科学に新しいパラダイムを提供できると考える。般若心経は宇宙と人間の関係を説いている。人間は宇宙そのものであり、それを知ることが人間の生き方を知ることになる。宇宙の根元としての空そのものが生命であり、超実体であり、生命活動とはその宇宙の理念をこの現象世界に表現することであり、その環境さえ空が自らを具体化することで創り出した生命である。それ故に人間は宇宙と一体になって生きてこそ、意味があるのであり、ここに人類の恒久平 和の理論も示され ている。ここに示される世界観はまさに現代へのメッセージである。
会長講演
  • 会長講演,第39回生命情報科学シンポジウム
    有田 秀穂
    原稿種別: 本文
    2015 年 33 巻 1 号 p. 96-
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2018/10/03
    ジャーナル フリー
    脳幹・背側縫線核のセロトニン神経はオキシトシン受容体を備えているので、脳内オキシトシンの分泌が増えるとセロトニンが活性化され、不安や緊張、鬱などストレスフルな気分を解消させる。オキシトシンは子宮収縮や乳汁分泌を促す母親のホルモンとして古くから知られてきたが、最近の研究で、男性も未婚の女性も、すなわち性別や年齢に関係なく分泌される脳内物質であり、その役割は、視床下部のストレス中枢を抑制して、HPA軸(視床下部・下垂体・副腎システム)を抑え、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌を減少させることが明らかにされた。その活性化因子は、グルーミング行動であり、マッサージ、エステ、リフレクソロジーなど心地よいスキンシップ、友人や家族との団欒、などである。これらの社会的癒し行動は、ストレス解消術として知られてきたが、その背景に、オキシトシンという脳内物質が働いていることが判明した。この点について、我々の最近の研究を紹介しながら、解説する。
次期会長講演
  • 次期会長講演,第39回生命情報科学シンポジウム
    栗田 昌裕
    原稿種別: 本文
    2015 年 33 巻 1 号 p. 97-100
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2018/10/03
    ジャーナル フリー
    SRS能力開発法(Super-Reading system)は1987年に栗田が提唱した心身の能力開発の体系である。それは3レベル、180ステップからなる。第一レベルはSuper-reading systemと呼び、30ステップからなり、速読法を主軸とする訓練を行う。第二レベルはSubconsciousness reconstruction systemと呼び、50ステップからなり、潜在意識領域の再構築を行う。第三レベルはSuperconsciousness realizing systemと呼び、100ステップからなり、より高い意識レベルで充実した実り多い日々を送ることを目指し、多様な分野を含む実践的訓練を行う。SRSには速読法、心象法、記憶法、瞑想法、速書法、心身法、健康法、教育法と呼ぶ八分野がある。第一レベルでは知的機能を加速する訓練によって心身を総合的に活性化する。平均読書速度は訓練前の速度の10倍以上になる。第二レベルでは、八分野のより広く、より深く、より高い範囲の内容を順次学び、特殊な訓練を行う。第三レベルでは、200を越える多様な領域に関する内容を学ぶ。講演ではこれら諸分野の訓練の構成・概略・特徴・独自性と指導の歴史と成果とを紹介する。SRSの訓練の成果や研究の成果の一部は過去のISLISのシンポジウムで16回にわたって発表された。
教育講演
講演
  • 講演,第39回生命情報科学シンポジウム
    根本 泰行
    原稿種別: 本文
    2015 年 33 巻 1 号 p. 105-
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2018/10/03
    ジャーナル フリー
    故・江本勝博士は、水に含まれている情報を可視化する可能性のある方法として、1994年に水の氷結結晶写真撮影法を開発し、その後の5年にわたる実験結果をまとめて、1999年に水の氷結結晶写真集『水からの伝言』を出版した。『水からの伝言』は様々な言語に翻訳されて、世界各国に伝わって行ったが、『伝言』の要点は、「水の構造は人間の感情や想念のエネルギーによって変化する可能性がある」「水は情報を記憶する可能性がある」というところにある。しかしながら、従来の科学においては、「水の情報記憶」について、なかなか認められず、結果として「『水からの伝言』は非科学的である」との批判を受けてきた。ところが過去6~7年の間に、世界のトップレベルの科学者たちから、「水は情報を記憶する」ということを示唆する―もしくは完全に証明する―証拠が提示されてきている。ジェラルド・ポラック博士は、博士自身が発見した「第四の水の相」を考慮すると、「人間の感情などの働きによって、水の構造が変化する可能性が十分に考えられる」という趣旨の発言をしている。また、リュック・モンタニエ博士により、「水は遺伝物質DNAの情報を記憶する」ということが、遺伝子工学的手法を用いて、疑問の余地のない形で、科学的に証明されてきている。本講演においては、『水からの伝言』について簡単に説明した後に、ポラック博士とモンタニエ博士の研究内容について、専門外の人にも分かりやすく紹介し、それらの関連について議論する。
第39回生命情報科学シンポジウム
国際生命情報科学会誌
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