国際生命情報科学会誌
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原著論文
ヨガ瞑想および気功鍛錬中の脳波コヒーレンスにおける生理学的研究
加藤 正 河野 貴美子
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2017 年 35 巻 2 号 p. 99-

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抄録

TM(ヨガ瞑想)並びに気功鍛錬中の脳内の機能的な同期性について、リラックス音楽静聴時のコントロールグループと比較し、検討した。グループ1:TM実践者(N = 8、30.38±4.37歳)、グループ2:気功実践者(N = 8、43.00±13.09歳)、グループ3:健常対照群(N = 8、25.13±3.18歳)である。脳波(EEG)は、1)各課題実施前安静、2)実施中、 3)実施後の安静、の3状態を通して計測し、前頭中央-頭頂間(Fz-Pz)、並びに左右頭頂間(C3-C4)のコヒーレンスを計算して比較した。その結果、TMでは瞑想中および瞑想後にC3-C4およびFz-Pzの双方でコヒーレンスが増加したが、気功群では気功法実施後にのみ増加した。対照群に有意な変化はみられなかった。これらの結果から、TM(ヨガ瞑想)は脳内の機能相関を高め、気功は気功後の休息期間中に機能強化が行われるという異なる生理学的メカニズムが示唆された。代替医療的な側面におけるヨガ瞑想と気功鍛錬の用い方の違いとして、臨床的な応用の可能性が考えられた。

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