X大学が2010年に行ったVDT作業の内容,環境,姿勢と眼および筋骨格系自覚症状に関する独自の記名自記式アンケートから,訴えの多かった,眼が疲れる,肩こり,腰痛の3症状について,男女別に多重ロジスティック回帰分析を行った。回答者はVDT作業を行う事務職員と教員で,男性321人,女性154人であった。共変量は,問診票項目の多重共線性を考慮し,VDT作業内容,環境,姿勢に関する11項目を投入した。解析の結果,猫背姿勢の作業が,唯一男女共通して,眼の疲れと肩こりに対してオッズ比の有意な上昇を示した。また,使用パソコンをノート型からデスクトップ型へ変更することで自覚症状の改善効果を期待できる可能性も示された。(表6)