抄録
金属熱処理の品質評価に使用される顕微鏡用試料は手作業により鏡面仕上まで研磨されるが,品質評価に耐えうる試料に仕上げるには長年の訓練が必要となる。この顕微鏡用試料の作成は部品の 「切断」 「包埋」 「研磨」 により達成される。この研磨技術に関して,熟練者が長年の経験によって得たコツや勘は,暗黙知という形で伝えられており,形式知化されていない。このため,非熟練者への継承は容易ではなく,また効率も悪い。本研究では熟練者と非熟練者による把持力を比較し,把持力の違いが研磨面に与える影響を調査した。その結果,熟練者の把持力は持続的で,母指と中指の把持力分布は同等であり,研磨面の粗さばらつきは小さかった。(図3)