労働科学
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論説
斉藤 一博士と労働科学研究の進展
小木 和孝
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2014 年 90 巻 3 号 p. 88-93

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抄録
故斉藤一医学博士(1910-2014)は,1935年倉敷労働科学研究所に入り,労働科学研究所にあって研究を続け,1982年に所長を退任後までにわたって,労働科学研究を先導し,支えてきた。産業現場調査をもとに労働負担に着目して,その実態と改善策について実証的研究を行った。とりわけ,高温環境における水分喪失と内部環境の調整,労働時間と交替制のあり方,技術革新下の労働生活実態にそくした健康対策について半世紀を越えて研究を続けた。労働の生理的負担とそれに伴う血液性状など内部環境の調整を睡眠時を含む生活実態に見合って調査する研究手法が基盤になっている。研究成果をもとに,これからの産業労働のあり方についての労働科学的見地から多くの提言を行い,広く応用された。アジア地域との国際協力にも積極的に取り組んだ。人を惹きつける人徳に根差した指導と洞察力により,労働科学研究の発展に大きく貢献した。
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© 2014 公益財団法人 労働科学研究所
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