産業事故の調査方法について述べたものである。指摘事項は,調査が様々な阻害要因によって真の原因把握に至らないこと,その結果,事故原因は「分かり易い原因」,「早い結論が得られる原因」,「対策コストが掛からない原因」となる。したがって,対策と言えば,人間系に絡む「意識高揚」や「安全教育」となる。この認識から,事故調査には次の視点が必要である。1,調査スタッフは独立し,強い権限が与えられていなければならない。2,科学的な手法で行われなければならない。3,原因には必ず組織要因が存在すると考えておかなければならない。この観点を具体化するため,調査を行う側の備えるべき技法と態度とをRCA法を例に採って記述している。(図2)