労働科学
Online ISSN : 2187-2570
Print ISSN : 0022-443X
93 巻, 2 号
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論説
  • 井上 枝一郎
    2017 年 93 巻 2 号 p. 35-47
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/11/16
    ジャーナル フリー

    産業事故の調査方法について述べたものである。指摘事項は,調査が様々な阻害要因によって真の原因把握に至らないこと,その結果,事故原因は「分かり易い原因」,「早い結論が得られる原因」,「対策コストが掛からない原因」となる。したがって,対策と言えば,人間系に絡む「意識高揚」や「安全教育」となる。この認識から,事故調査には次の視点が必要である。1,調査スタッフは独立し,強い権限が与えられていなければならない。2,科学的な手法で行われなければならない。3,原因には必ず組織要因が存在すると考えておかなければならない。この観点を具体化するため,調査を行う側の備えるべき技法と態度とをRCA法を例に採って記述している。(図2)

総説
  • 福岡 幸二
    2017 年 93 巻 2 号 p. 48-60
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/11/16
    ジャーナル フリー

    事故は,産業の種類を問わず発生し,毎年多くの人命と財産が失われ,事故防止は喫緊の課題である。本研究は,各産業が効果的な事故防止策を講じることができるようになることを目的として事故モデルの歴史的背景と事故モデルの適用分野について紹介する。事故モデルは,連続的事故モデル,疫学的事故モデル及びシステミック事故モデルに分類され,産業の特質である追跡の難度及び結合の度合い並びに事故の形態に応じて選択すべきことを鑑み,事故防止策には,各産業に適した科学的事故調査,事故モデルの使用を含む体系的な防止策が必要であることを示した。(図8,表1)

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