理論と動態
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地方を生きる同性カップルは「何者」として現れるのか
──ある地域に移住したゲイカップルの事例から──
大森 駿之介OHMORI Shunnosuke
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2025 年 17 巻 p. 90-108

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抄録

 本稿では、地方の地域社会において同性カップルが「何者」として現れるのかを、かれらと地域住民との相互行為から記述する。これまで、地方や農村において性的マイノリティは、クローゼットで抑圧された者として捉えられる傾向にあったものの、そうした見方の背景にある大都市規範性が暴かれ、かれらが自身を可視化していく姿を含めたより複雑な現実が記述されるようになった。ただ多くの研究では、かれらが可視化していく過程で、「性的マイノリティ」、ひいては「異質な者」としてカテゴライズされてしまうことが前提とされており、その上で対処的な実践の様相が描かれてきた。

 本稿では、ある地域に移住したシスジェンダー男性同士の「ゲイカップル」を取り上げる。当ゲイカップルと地域住民のやりとりに着目し、その中でかれらが必ずしも「ゲイ」という要素だけではなく複数の社会的カテゴリーの下で現れることを記述した。そしてその背景として、私生活と生業・地域活動という二つの領域が連続しており、地域住民がかれらを様々な視角からまなざしていたことが明らかになった。地方を生きる性的マイノリティを把握する上では、単に地域からの受容という側面だけではなく、いかなる条件のもとで、かれらは多様なカテゴリー化を受けるのか、いかなるカテゴリーが優位となったりならなかったりするのかを探求する必要があるだろう。

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