2019 年 33 巻 3 号 p. 185-191
症例1は85歳,女性。5ヵ月前より左膝に腫瘤が出現し,その後顔面,四肢に丘疹,結節が多発。生検像と免疫染色の結果より芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(blastic plasmacytoid dendritic cell neoplasm:BPDCN)と診断した。症例2は91歳,男性。7ヵ月前より前胸部,背部に紫紅色斑が多発。症例1と同様,生検像と免疫染色の結果よりBPDCNと診断した。症例3は67歳,男性。1ヵ月前より四肢,体幹に紅色の丘疹および結節が多発。同じく,生検像と免疫染色の結果よりBPDCNと診断した。3症例は同一疾患であるが臨床所見が異なっており,本疾患には臨床像に多様性があることが示唆された。そこで医中誌を用い過去10年間の本邦報告例を調べ,臨床像を中心に本症の特徴をまとめた。臨床像は大きく結節,腫瘤を形成する型と斑状局面を形成する型の2型に分かれ,予後は結節,腫瘤の多発する症例で悪い傾向がみられた。