理論と動態
Online ISSN : 2436-746X
Print ISSN : 2185-4432
<下層の人びと>
オキナワン・ヤンキー・サブカルチャーズ
──〈日本〉と沖縄の暴走族の組織原理に注目して──
打越 正行
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キーワード: 沖縄, ヤンキー, 〈地元〉
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2012 年 5 巻 p. 112-127

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抄録

 本稿は、沖縄のヤンキー若者たちの生きる〈地元〉とその組織原理の特質にもとづき、既存の下層若者文化論の拡張を試みることを目的とする。具体的には、衰退する〈日本〉の暴走族と依然として活動を継続する沖縄の暴走族という対照的な事象に着目する。その要因を沖縄で〈日本〉の暴走族を受け入れる過程で生じた2つの修正点から説明を試みた。1つ、沖縄では暴走族間の抗争がなく、共同で暴走を楽しむスタイルが確立された。これについては沖縄の暴走族にとっての〈地元〉は物語などを機軸とする〈日本〉のそれとは異なり実体的なつながりと場所を求めて集まる数少ない場所の一つであることから説明した。2つ、暴走族とギャラリーの相互行為を通じて、ニッチ的な暴走の魅力を楽しむスタイルが確立された。これについては暴走族とギャラリーの圧倒的な数と密度、そして〈地元〉の最後の砦としての位置付けから説明した。ここからは、持たざる者がなんとか生き抜く姿、そのために〈地元〉に集い限られた資源を共有する姿を確認できる。そして沖縄のヤンキー若者たちはその困難に対抗するのではなく、最低限生き抜く戦術を模索する。

 これらの差異にもとづき、沖縄の下層若者にとっての〈地元〉は、〈日本〉の「地元」のような中央から離れた場所ではなく 、不連続な外部であると結論付けた。そしてこの結論から下層若者文化論は外部の視点を取り込みながら拡張する必要があることを指摘した。

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© 2012 特定非営利活動法人 社会理論・動態研究所
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