理論と動態
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<下層の人びと>
ホームレスの国際比較のための方法序説
──フィリピン、日本、アメリカを事例に──
青木 秀男
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2012 年 5 巻 p. 128-149

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抄録

 世界の国々にホームレスが現れている。しかしその比較研究は、緒に着いたばかりである。本稿は、ホームレスの国際比較の方法について考察する。ホームレスは、グローバリゼーションの産物である。これが本稿の出発点である。本稿は、まず、グローバリゼーション概念について考察する。グローバリゼーションは、国々の固有の諸条件を介して浸透する。グローバリゼーションには、一般過程と個別過程の二側面がある。次に、比較の方法について考察する。比較はつねに構造的である。複数の事象の類似性と差異性を見出し、それらの意味を説明する。そのために、事象を構成する諸項目が、事象の中で占める位置と、事象の存立における機能を特定する。そして、事象の特徴を類型に高める。三つ、フィリピン、日本、アメリカを事例に、ホームレスの国際比較の方法について考察する。まず、三国のホームレスの特徴を素描する。次に、比較の方法に準拠し、ホームレスの国際比較の手順を提示する。最後に、ホームレス概念について、三国の史的経緯と概念をめぐる議論を一望する。そして、ホームレスの類似性(「ホームレスは非定住の人々である」)と差異性、さらに概念の範囲(「だれがホームレスか」)等の問題について考察する。その上で、比較がホームレスの類型化と理論化への途を拓き、類型の比較が現代社会研究の切り口になることを指摘する。

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