2012 年 12 巻 p. 15-26
本稿では、東日本大震災の初動対応期におけるジャパン・プラットフォーム(JPF)の活動を概観し、どのように国際人道支援の経験が活かされたかを中心に、その意義と課題について述べる。JPFは東日本大震災発災までのおよそ10年間半にわたり、日本をのぞく世界約30カ国で669件の人道支援事業を実施してきた。その経験は東日本大震災においても、1)迅速性と高いロジスティックス能力、2)リソースの集約と大規模な支援、3)支援をつなぐ:調整と連携、4)海外で実施してきた支援スキームの応用、などの分野において活かされた。本稿では、これら4つの分野におけるJPFの活動を整理して記述する。そのうえで、東日本大震災でのJPFの経験が、今後の国際人道支援に与える示唆について述べる。