ボランティア学研究
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南アフリカ共和国ムプマランガ州A中等学校生徒の道徳的価値意識に関する一考察
谷山 優子
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2020 年 20 巻 p. 83-93

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抄録

 本研究は、アパルトヘイト政策終結後の南アフリカ共和国において未だ教育格差の厳しい状況にあるムプマランガ州のA中等学校の生徒が、よりよく生きるための教育について考察するものである。当地では、数学の学力向上を図るためJICAの理数科教育支援が継続して行われている。学力向上と日本のように生き方や将来の夢を自ら考える道徳教育に取り組めばより充実した教育になるのではないだろうか。そこで、生活や生き方についてどのような道徳的価値意識を持っているのか高校生にアンケート調査を実施した。また、教員にもインタビュー調査を行った。その結果、道徳的価値意識を持ち、明るく幸福そうで、現状に満足している生徒の様子がうかがえた。しかし、自分の考えをしっかり持ち、将来の生き方を考えるという姿は見えづらかった。学んだことを生活に生かし、よりよい生き方へと広げ、世界を見据えながら南アフリカの国を発展させる生徒に育ってほしい。

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2020 国際ボランティア学会
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